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跡部+裕太








ゲーム!氷帝跡部5-0





 審判の声が無慈悲に響くコンソレーション第4試合
 圧倒的な強さを見せ聖ルドルフの観月を大きく引き離す、氷帝の帝王跡部。



 「はっ。無様だな。」
 

 頭上から響く跡部の声。
 言い返してやりたいが、この状況の僕では何も出来ない。
 僕は唇をかんで怒りを抑える。

 そんな状況の僕を一瞥すると、跡部は遠くを見る瞳をした。


 「なぜ、裕太にジローを当てたかわかるか?」

 彼が何故こんな質問をするかはわからない。
 「…裕太君の大技を封じるため、敢えて彼の苦手なボレーヤーを起用した…」
 「そうだ。そうすれば裕太の身体に余計な負担を与えずにすむ…俺様がわざわざ監督に進言してまで登録したのさ。」

 跡部はさも当然というように僕を見下しながら言ってきた。
 相手チームの弱点を狙って選手を当てるという理屈は僕には十分理解できる。
 僕達もそうやって登りつめてきた。
 ただ、何故跡部が裕太君の身体を気遣うのかがわからない。
 それに跡部がそういう性格だという噂は聞いたことすらない。


 僕の苦虫を潰すような顔に満足しているのか、跡部はさらに続けた。


 「佐伯は、試合をコントロールすることにより裕太の体を気遣った。不二はお前に逆勝することで裕太の仇を取った…」
 「……」
 「そして俺様は、お前を完膚無きままに叩き潰すことにより、裕太を守る。」



 『裕太君を…守る?』
 それこそ理由がわからない。
 跡部にとってデメリットこそあれ、メリットなんてないはずだ。
 
 僕の横をボールがすり抜ける。
 ”15−0!”
 嫌な汗が背中を流れる。
 もう、後がないんだ。
 これは僕を動揺させる跡部の精巧な罠だ。
 今は、試合に集中しなければ!

















ゲームセット0-6!氷帝跡部







 
カラーン


 僕はラケットを落とした。
 僕の負けで、聖ルドルフの夏が…僕達の中学テニスが終わる…

 「観月さん!


 遠くで裕太君の声が聞こえる。
 そして僕のほうに向かって走ってくる足音も聞こえる。
 僕はどんな顔で彼に会ったら良い?


 その足音は、僕に近づく少し前で止った。


 「裕太…」

 聞いたこともないような跡部の声色…
 まるで慈しむような、どこかで聞いたことのあるトーン
 『今日は家によって帰るよね?』
 『強くなったね、裕太君。また一緒に遊びたいな。』

 「跡部さん…」
 戸惑うような裕太の声。
 「…違うだろ。」
 少し咎めるような声。
 でも、甘さが含まれているような気がするのは僕の思い違い?

 「…景兄…」
 ためらいと戸惑いを含有しながら発せられた裕太君の声。
 しかし、はっきり耳に残るその単語。


 跡部はそのまま不敵に微笑むと、裕太の頭をクシャリと撫で、
 「お前の今年の夏は終わった。だが、終わったのは今年の夏だけだ。
 お前にはまだまだ先がある。俺様や不二、それに佐伯の思いを抱きながら強くなれ。」
 「景…」
 「ただし、無茶はするな。」

 遠くなっていく跡部の足音。
 一瞬向けられた刺すような視線

 「観月さん…すみません。」
 最敬礼のように頭を下げる不二裕太。
 僕は、使い捨ての駒を手に入れたつもりが、核兵器以上に取り扱いの危険な選手を手に入れてしまったようだ。
 僕は壊れ物を扱うようにその体を抱き、
 「これで終わりにするつもりは有りません…そうですよね。」
 次なるステップを踏み出す。
 

 跡部、佐伯、不二幼馴染派のエルリン様からいただいた小説です!
 御耽美御耽美です〜
 跡部が観月を嫌いなのは裕太をいじめたからだそうで…存じませんでしたよ^^
 ストーリーの美しさといい心憎い演出といい…文才のある方って羨ましいです!!
 エルリン様、このたびは本当に素敵な作品ありがとうございました!!
 リクエストの手塚x大石。頑張らせていただきます!  
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