「ふぁああ〜、かったるい。」
やる気なさげなその態度、その声色。
その横顔を横山がキッと睨む。
菅原はやるせない表情を浮かべ落胆する。
開店休業など、村田に関する噂話でろくな話はない。
なぜこのクラスは人の表面しか見ないのだろう。
なぜあの女の不誠実な態度の下に隠された熱い情熱に気付かないのだろう。
努力すれば必ず報われる。
それは間違いではないし現にそうだ。
だが皆が考えているのは所詮は
一生懸命やっている自分はかっこいい!!
という自己擁護でしかありえない。
そしてそれは周りにたくさんの敵を作りかねない。
本当に上を狙える奴は自分を偽るという駆け引きが上手な奴だ。
他のやつが食い物やらネットワークセルを大量にちゃらちゃら持っているのと対にあいつの持ち物は教科書教科書教科書、ノート、シャーペン、靴下。
努力とは見えないところでするものだ。
次の試験の結果発表時が楽しみだ。
…
……
………
『な〜んか最近野口の視線を感じるのよねぇ〜』
『まぁ、私が魅力的だからしょうがないっかv』