少し寒くなってきたが肌寒いある日、青学テニス部は乾を中心にミーティングを行っていた。
 戦略もまとまりかけ、少し休憩を取ろうとすると…
不二「ねぇ、手塚。今度の日曜日聖ルドルフでハロウィンパーティがあるんだけど。」
手塚「…………それがどうした?」


 感情の読み取れない表情で言われて怪訝そうな顔をしながらも手塚は律儀に応えた。
 はっきり言って聖ルドルフ絡みの事でロクなことは起こらない。手塚の右隣でメモを取っている乾以外の3年は頭をフル回転させて回避策を検索していた。



桃城「あ、それ聞きましたっす。何でも仮装パーティらしいっすよ。なぁ、海堂」
海堂「……あぁ…;」


 生きる人間地雷(他称)桃城が返事を返すと、不二はまるでお花畑をバックに背負うぐらいの圧倒的なオーラを発散させた。  
 逃 れ ら れ な い 

 大石の胃に穴が開き手術代を請求されようとも、菊丸に夜道で襲撃されようとも、河村の波動玉が直撃しようとも、不服は言えないだろう。



「で、不二。お前は何をたくらんでいるんだ?」


 周りが精神的ダメージを受けている中、展開を予測していたであろう乾が眼鏡の奥の瞳を光らせて聞いてきた。



不二「いやだなぁ、乾。ただボクは、裕太の学校がどんなことをするのか気になるだけだよ。でももし参加できればそれなりの情報は手に入るんじゃないかな?」
「ふむ…そうだな。面白そうだ。」


 何とか止めて!なんていう電波が頭に届いたような気がするがあっさり無視をする。



大石「……ふぅ。乗り気だな、乾。…なら俺達も…参加するか…な。」


 心なしか顔色が悪く、胃の辺りを押さえている大石が話を続ける。
 不二と乾だけで聖ルドルフに行かせようものなら何が起きるかわからない。
 不二のストッパーとして河村、乾の目付けとして海堂…………最善策を模索する。



手塚「そもそも、”はろういん”とは何なんだ」
越前「部長、発音悪いっすよ。”halloween”っす。元々はキリスト教の祭っす。」
手塚「ム。そうか。」
河村「ルドルフはミッション系の学校だっけね。」
手塚「そういう厳かな行事に俺達が参加するのはまずいのではないか?」
不二「午前中は学校行事で万聖節。午後は生徒達で自由にパーティするんだって。」
菊丸「へぇ〜パーティか。いいなぁ〜面白そうだにゃ。」
桃城「そうっすね〜」
「ちなみにそのときの格好は仮装だ。だから俺達が乱入していてもまず気付かれないだろう。」
菊丸「くぅ〜。楽しそう!ね、大石参加しようぜ〜!!」
越前「その日の部活はどうするんすか?」
「一応偵察が主ということだから、部活内行動ということかな」
菊丸「それにこの時期ガムシャラに練習ばっかして怪我しちゃまずいじゃん。息抜きも必要だよ♪」
不二「開始時間はPM6時。そうだね…5時頃校庭前で待ち合わせしようか」
海堂「ちょ、ちょっと待ってくださいっす。…仮装なんすよね…そんな格好でここに来るんすか?」
越前「何人かは補導されるかもしれないっすね…」
河村「それはまずいね。じゃぁ、この話はなかったことに…」
不二「大丈夫だよ。姉さんに頼んで聖ルドルフまで送ってもらうから。
そうだね…各自の家に迎えに行くよ。」
大石「………」
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